乾式遮音二重床の構造について
フローリングなど仕上げの下地材は防音二重床仕様になっています。遮音性能を高めるためのクッションゴムがついた支持脚でコンクリー卜面から床版を浮かせた構造です。
※ 一般的に捨板を使用する三層構造のタイプと捨張り材を使用しない二層構造タイプがあります。

①「乾式遮音二重床」には脚付パネル工法と、共通支持脚工法があります。
床パネルの四隅、あるいは四隅と中央部分に支持脚を取付けてパネルが独立して自立する方式が「脚付パネル工法」、二つ以上のパネルが一つの支持脚を共用するのが「共通支持脚工法」。乾式遮音二重床は、この二つの基本構造であらゆるニーズに対応します。
「脚付パネル工法」は捨張り材併用。「共通支持脚工法」は、捨張り材を特に必要としませんが、条件によって併用する場合もあります。


②乾式遮音二重床の端部納まりには、在来きわ根太や遮音対策用システム根太などを用います。
従来、壁際は在来きわ根太を用いるのが一般的でしたが、長年使用した場合に、収縮・反りによる床鳴りが発生する可能性が高いことや、階下へ振動(音)が伝わりやすくなることから、近年では、クッションゴムの付いた遮音対策用システム根太を用い、壁際に隙聞を確保する工法が一般的になってきました。
しかし、掃き出しサッシ部や敷居部など意匠上の配慮から、現在でも在来きわ綬太や硬いクッションゴムの付いたシステム根太が用いられることがあります。この場合、階下へ振動(音)が伝わりやすくなる場合があります。


③ 床パネルには、主にパーティクルボードを使用しています。
パーティクルボードの伸縮について
パーティクルボードの場合、一般的に含水率1% の変化で1mあたり0.3~0.5mm 程度伸縮します。含水率が5% 変化すると、約1.5~2.5mm程度の伸縮となります。一般的にパーティクルポードの含水率は、梅雨の季節で10~12%、冬季、床暖房使用時に4~6% 程度です。よって施工においては、パーティクルポード間の目地・パーティクルボードと周壁はしっかり間隔をとることで伸縮対策を行います。なお、下地合板・フローリングは、一般的に含水率1%の変化で、1mあたり0.17mm程度伸縮します。
下地合板・フローリングについても周壁との間隔をとり、巾木や見切り材による納まりを事前に検討する必要があります。
環境対策への配慮
資源の活用と環境保護に貢献しています。
「乾式遮音二重床」に使用される部材の中で、一番木材を使うのが床パネルのパーティクルボードです。このパーティクルボードの原料となる木材チップは、未利用資源である小径材、建築廃材、工場廃材なども利用しています。
このようなリサイクル製品を活用することで、地球環境保護に貢献しています。